仮想通貨取引所大手Bitfinexが12月17日(日)、新規の口座開設に規制をかけました。これは、「招待コード」を持つユーザーしか新しく口座を開設できないというもので、事実上「招待制」を導入した形となります。
Bitfinexは、新規ユーザーの急増による対応と説明していますが、招待コードの具体的な取得方法は発表されていません。
今回の対応に対し、新規のユーザーはもちろんのこと、既存のユーザーも、招待制の導入によりこれから取引所はどうなっていくのかと困惑しているようです。
しかしそんな中、Bitfinexは12月21日(木)、今度は完全に新規口座開設を停止する旨を発表しました。公式サイトで「Sign Up」をクリックすると以下のようなメッセージが表示されます。
このアナウンスでは「新規口座開設が急増していること、それによるサービスの質の低下が危惧されること、そのため最大2018年1月15日(月)まで新規口座開設を停止すること」が挙げられています。
現在の所、ユーザーはこの説明内容は妥当なものと受け取っているようですが、新規口座開設が再開されても「招待制」が継続されている可能性があります。
そこで、これから新規口座開設ができないといったパターンを想定して、ここではBitfinexに似たような特徴やサービスをもつ取引所を紹介したいと思います。
Bitfinexに代わる取引所とは?
これから新規口座開設が行えない可能性を踏まえて、Bitfinexに代わる取引所はあるかという検証を行ってみました。
その結果、中国の仮想通貨取引所Binance(バイナンス)が、Bitfinexと多くの共通点を持っていることが分かりました。ここではその理由を説明していきたいと思います。
類似点その①取扱種類
Binanceは、Bitfinexが取り扱っている通貨をほぼ同様に取り扱っています。Bitfinexは現在の所、23種類の通貨を取り扱っていますが、その70%(16種類)がBinanceでも同様に取引可能です。
上の画像は、Bitfinexが取り扱っている銘柄です。このうちBinanceは、BTC, LTC, ETH, ETC, ZEC, XMR, DASH, XRP, IOTA, EOS, OMG, BCH, NEO, QTUM, BTG, YYWを同様に取り扱っています。
類似点その②価格の動向
BitfinexとBinanceの取引価格は、ほぼ同じ価格帯で同じ変動を見せる傾向にあります。
上の画像は、BitfinexとBinanceのBTC/USDの取引価格を比較したグラフです。赤がBitfinex、青がBinanceの価格変動のグラフですが、この2つの取引所は似たような変動を見せていることがわかりますね。
通常、取引所間の価格差が大きくなると、トレーダーはアービトラージと呼ばれる取引を行うので次第に価格差がなくなっていくという性質があります。
しかし上の画像からわかるように、取引所を比較すると、このように大きな価格差が見られることもしばしあります。(BitfinexとGDAXの価格比較です。)
類似点その③取引手数料
BitfinexとBinanceの類似点の3つ目として、取引手数料が挙げられます。まずBitfinexは、取引量に応じて手数料が変化するといったシステムをとっており、その取引手数料は0.08%~0.2%の範囲で発生します。
一方、Binanceは取引手数料が0.1%と設定されており、Bitfinexの0.08%~0.2%とほぼ同じ推移です。
またBinanceでは、BNBというBinanceが発行するトークンを使用することで手数料の割引が受けられ、この点に関してはBinanceに優位な点が見られます。
Bitfinexに代わる取引所Binance
Binanceは2017年に開設されたばかりの取引所ですが、わずか3か月で出来高ランキング4位となるなど、今急速に成長している取引所です。
また最近頻繁に行われているビットコインのハードフォークにもほぼ全て対応しており、なにかと話題の取引所でもあります。
今回Bitfinexで新規口座開設が停止されたことで、長くて翌年の1月15日まで開設できない、また停止が解除されたとしても、招待コードを入手できず口座開設が行えないといった可能性もあります。
それならば、Bitfinexとの類似点を多く持ち、かつハードフォークへの対応も好評価のBinanceで、取引を始めてみるのも一つの手ではないでしょうか。