2月26日、モバイル決済アプリを開発している米企業「Circle(サークル)」が、大手取引所Poloniex(ポロニエックス)を買収すると発表しました。
買収額は、約430億円といわれており、大きな話題となっています。
ここでは、このニュースが市場にどのような影響を与えていくか見ていきたいと思います。
Circleとは?
Circle(サークル)とは、「Circle Pay(サークルペイ)」と呼ばれる、メッセージ機能を搭載したモバイル決済・送金アプリを開発している企業です。
Circle Payには、ブロックチェーンの技術が採用されており、銀行や金融機関を介さずに法定通貨が送れるサービスとなっています。
他にも、仮想通貨投資向けツールの「Circle Invest(サークルインベスト)」のリリースも控えています。
サークルは、過去にアメリカの金融グループ「ゴールドマンサックス」や中国の検索エンジン「百度(バイドゥ)」などから、140億円以上の資金調達をしたこともあります。
Poloniexの買収で何がかわる?
今回の買収には、Poloniexのプラットフォームや事業規模の拡大といった目的があります。
そのため、企業買収による経営権の獲得というよりは、Circleの技術を取り入れるパートナーシップに近いニュアンスです。
具体的には、事業の地理的拡大、多言語のサポート、トークンの上場、USDやERUといった法定通貨の導入などが上げられています。
また「Circle Pay」や 「Circle Invest」といたサークルの商品も、ポロニエックスとリンクさせていくとのことです。
買収のニュースで価格が上昇
Poloniex買収の報道があった2月26日から、ビットコインの価格は、1日で10%以上の上昇を見せています。これにはどのような理由があるのでしょうか。
1つには、ビットコイン普及の期待があります。特に、Circleの利用率が高いアメリカは、仮想通貨の市場も伴に大きいため、期待からビットコインの買いが走ったと考えられます。
もう1点は、Circleがゴールドマンサックスといった企業が出資していることもあり、大手金融グループがバックにあるという信頼があります。
またCircleは、法定通貨を取り扱う決済サービスを展開する企業であるため、日本でいう金融庁のような、米国証券取引委員会(SEC)の管理下で運営が行われています。
この公的機関の審査をパスした企業と共同で開発を行っていくあれば、ユーザーの信用も高まり、これから更に事業が拡大するのではという期待があるようです。