2018年1月26日に、コインチェックがNEMを流失させて以降、日本における仮想通貨事情はおおきな転換期を迎えました。
同年3月8日には、金融庁が国内の取引所7社に行政処分を下したり、また世界でもG20で仮想通貨の規制がとり上げられるなど、仮想通貨を取り巻く議論はさらに過熱しています。
そして今回、事件の当事者であるコインチェックが匿名通貨の取り扱いをやめるとの情報があり、大きな話題となりました。
そこで、ここではなぜコインチェックが匿名通貨を廃止するのかその理由を紹介したいと思います。
そもそもこの匿名通貨とは一体何なのでしょうか。
コインチェック匿名通貨の取り扱い停止の理由は?
3月16日、コインチェックが匿名通貨と呼ばれるMonero(XRP/モネロ)、Zcash(ZEC/ジーキャッシュ)、Dash(DASH/ダッシュ)の取り扱い中止を検討していると時事通信が報道しました。
その理由は、これらの通貨がマネーロンダリング(資金洗浄)に使われるリスクが高いとしたためです。
このマネーロンダリングとは、日本語で資金洗浄といわれ、麻薬、脱税、粉飾決算といった犯罪で得られた資金を様々な口座に転々とさせることで、資金の出所をわからなくする行為をいいます。
それでは、なぜモネロ、ジーキャッシュ、ダッシュといった通貨が、このような違法行為に使われる可能性があるのでしょうか。
そもそもこの匿名通貨とは?
今回、コインチェックでの取り扱いが停止される3つの通貨、モネロ、ジーキャッシュ、ダッシュには共通点があります。
それは「誰が取引しているか全くわからないものにする」という点です。
これは、仮想通貨のトランザクションが公開され、誰が何を取引したかを確認することができるという特徴を問題視したもので、匿名にすることでプライバシーの保護を行おうというものです。
それでは、この3つの通貨の特徴を簡単に見ていきましょう。
まずモネロは、「リング署名」と「ワンタイムアドレス」いう機能を使います。
リング署名では、いくつかの署名と承認をグループにして、誰が署名を行ったか分からないようにし、ワンタイムパスワードという一時的なアドレスを作ることで、第三者が追跡(送金元をたどること)ができないようにしています。
ジーキャッシュでは、「ゼロ知識証明」という暗号技術を使います。
ゼロ知識証明とは、証明者が承認者に何の情報も明らかにせず「この情報を知っている」と証明して見せる方法で、アドレスや送金額、送金履歴などを明らかにせず取引ができます。
ダッシュは、複数の送金された通貨を「管理ノード」と呼ばれるプールのような場所に集め、シャッフルして受信者に送りなおすといった「Darksend」と呼ばれる仕組みがあります。
これによって誰がどれほどのダッシュを送信・受信したか判明できなくしています。
匿名通貨は悪い通貨?
上で紹介したこれらの特徴から、これらの通貨を利用すると身元が判明しないため、マネーロンダリングに利用されるとの声があります。
しかしこれらに対し、匿名通貨を支持する人たちは、匿名通貨が自体が悪いのではなく、それを悪用する犯罪者が悪いと反論しています。
また中には、政府がこのような匿名通貨を許さないという人もいます。
一方、コインチェックが匿名通貨が悪用されないよう監視できるシステムがないためともいわれています。
つまり、ネムにしろ匿名通貨にしろ、仮想通貨に問題があるのではなく、それを悪用するもの、管理するものに問題があるということです。
XRP、ZEC、DASHの取引はなくなる?
今回の報道が正しければ、コインチェックはモネロ、ジーキャッシュ、ダッシュの取り扱いをやめます。
国内ではコインチェックがこれらの匿名通貨を取り扱っていたので、実質取引ができなくなることになります。
しかし、モネロやダッシュなどは時価総額ランキングでトップ10を行き来するかなり人気の高い通貨です。
また匿名だけではなく、送金スピードが速いといった特徴もあります。
取引履歴など隠すといった行為は、確かに犯罪に利用できる恐れがあります。
しかし忘れてはいけないのは、それがもともとユーザーの保護を目的とするものだということです。
イーサリアムも匿名性を高めために、Zcashで採用されている技術を導入しようとしています。
このように、マネーロンダリングのリスクが高いとはいえ、これらの通貨が取引されなくなることはまずないといえるでしょう。
Binance(バイナンス)
- 世界ランク第1位!匿名通貨もバッチリ取り扱い!
- 独自トークンBNBで手数料が安くなる!
- 取引高も多く、スムーズな取引が可能!
- サイトも日本語に対応しているので安心!