160倍の利益が確定するコインがICOされる!
今こんな情報があちらこちらで飛び交っているのをみなさんはご存知でしょうか。
この情報をみると「自分の資産が160倍になれば。。。」とついそんな想像をしてしまいますよね。
しかし結論から言わせてもらいます。こんなICOに投資するのは危険です。
今回は、仮想通貨の将来をかき乱すような情報の全貌を明らかにし、みなさんに注意を呼び掛けるとともに、仮想通貨の正しさを訴えたいと思います。
そもそも160倍確定コインって何!?
そもそもこの160倍確定コインが何かというと、出資をすれば少なくとも出資額が160倍になって帰ってくるというICO(=仮想通貨による資金調達)です。
公式サイトで挙げられているトークンやICOの内容をまとめると、以下のようなものになります。
- 5月24日にプレセールが行われる
- メールアドレスを登録してICO情報を得る
- 400兆円規模のエンターテイメント市場のため開発されたプラットフォーム
- 国際特許の申請を完了した世界で唯一の技術
- トークンが取引所に上場されなくとも現金化できる
- 業界トップ80社と契約している企業が行う
- 上場が確定しており、上場後も価格が上がる
取引所に上場されなくとも現金化できる、上場後も価格があがるなど、一見どれも素晴らしい内容に思えます。
しかし、よく見ると怪しい点が多数あることにみなさんはお気づきでしょうか。
噂の渦中である瀬尾恵子氏とは?
これだけでは、まだこの案件が詐欺だとはいいがたいので、もう少しこのICOについて掘り下げていきましょう。
今回のICOは、瀬尾恵子という方がスピーカーとして情報開示を行っています。
ここで注目すべき点が、この方の経歴。
瀬尾恵子さんは、新卒で日興証券に入社し、その後、三菱UFJ信託銀行に転職。そしてゴールドマン・サックスでキャリアを積んだあと、現在は個人投資家として活躍しているとのことです。
企業が行うICOをこういった方が紹介すると、さぞ素晴らしいものだろうと思ってしまいますよね。
(↑特別番組では一見説得力のあるような話をされていますが、本当に信頼できるのでしょうか。)
160倍コインが詐欺案件だと考えられる理由①
それでは、今回の160倍確定コインが詐欺案件だと考えられる理由をご紹介したいと思います。
1つ目は、今回のICOでは公開されている情報がすべて曖昧であり、プロジェクト内容が全く公開されていないという点です。
始めに今回の160倍確定コインは、エンターテイメント市場のため開発されたプラットフォームとあります。
しかし、そもそもどういったエンターテインメントなのか、そしてこのプロジェクトがこの業界に何をもたらすのか、といった説明が全く行われていません。
例えば、同じエンターテインメントプラットホームでいえば、ブロックチェーンの技術を使って公正な動画、音楽共有プラットフォームを開発するTRONがあります。
このTRONでは、仮想通貨で報酬が貰えるというシステムを使い、ユーザーの創作意欲が増して、結果コンテンツの質の向上を図ろうといった「明確な目的」があります。
一方、160倍確定コインはただ「エンタメ業界に革命を起こす仮想通貨」とあり、それを達成する「特許申請中である世界唯一の技術」があるとだけされています。
ここで、どのように革命を起こし、どういった技術なのか、少しぐらい説明があってもいいのではないでしょうか。
160倍コインが詐欺案件だと考えられる理由②
2つ目の理由は、輝かしい成績や数字、メリットばかりが全面に押し出されているという点です。
160倍確定、400兆円規模の業界に革命、業界トップ80社と契約、元ゴールドマンサックスのエリート、といったすべてがどれも人々を引き付ける文言として使われています。
これは私たちが持つ先入観に働きかけるマーケティングの手法で、素晴らしい成績や数字をみると、その全てがよく見えてしまうという心理をうまく利用しているように思えます。
もしそのような数字などが事実であれば、もっと情報公開を行い、積極的にその点をアピールするべきです。
そもそも、このコインのキーである「160倍の利益確定」など全くもって不可能な話です。
なぜなら、上場後にわざわざ通貨を160倍で買う人なんているはずがないからで、買う人がいなければ、価格が上がらないのが仮想通貨です。
(↑ちなみにゴールドマンサックスのHPには上のような注意事項が掲載されています。)
160倍コインが詐欺案件だと考えられる理由③
3つ目の理由は、とにかくメールアドレスを欲している点です。
公式サイトでも、160倍確定コインを勧める他のサイトをみても、とにかくメールアドレスの登録を訴えています。
プレセールの参加方法を一切説明せず、参加券を得るにはメールアドレスの「入力」が必要とあります。
ご存知の方もいると思いますが、私たちの個人情報はかなりの額で売れることができます。
これはメールアドレスが、私たちに広告を送り続けることで、詐欺まがいの商品を購入させる一番てっとり早い方法で、悪い業者はかなり高額でこのメールアドレスを購入しています。
この160倍確定コインには、私たちのメールアドレスを集め、そういった業者に提供するといった意図が感じさせられます。
ICOの本来の目的
そもそもICOの本来の目的は、資金調達を行って事業を展開するというものです。
つまり力点は、いかにそのプロジェクトが素晴らしいかではなく、そのプロジェクトが何を作っていくといった将来の姿にあります。
そのためホワイトなICOは、(もちろん技術面や自分たちが優れている点を強調しますが)一番はこのプロジェクトで何が達成されるかを訴えかけ、それに賛同する同士を募る形で資金調達を行います。
銀行といった中央集権を介さないお金のやり取りをゴールとするビットコイン、人々の契約を自動化する世の中を作るためのプロジェクト、イーサリアムなどすべてのコインにそのプロジェクトの目的があります。
そのため、仮想通貨の目的が全く明白ではないICO、そしてそれを助長するような広告は、完全に詐欺案件だと考えていいでしょう。
近道を狙うな!仮想通貨で利益を出すのは取引が一番
上場が決まったトークンはひとたび取引が始まると、価格が一気に上昇し、プレセールの何倍もの値段をつけます。
しかし、私たちが知らなければいけない事実は、数あるICOの中で取引所に上場されるようなトークンは一握りだということです。
そのため、ICOで儲けようとするのはかなり至難の業だといえるでしょう。
そこでここでお伝えしたいのが「近道をせず取引を重ねて堅実に利益を出していくこと」これこそが仮想通貨で成功する一番の近道です!